塩は体に必要?ダイエット・筋トレ中の摂り方と塩の種類を解説
塩は体に必要?ダイエット・筋トレ中の摂り方と塩の種類を解説
「塩は血圧を上げるから、できるだけ減らす方がいい」
「汗をかきすぎて塩分が体から抜けると、生命の危険にも陥る」
このように、塩については正反対の情報を見かけます。
結論から言うと、塩に含まれるナトリウムは体に必要ですが、日常生活では摂りすぎている人の方が多いです。
一方で、長時間の運動や大量に汗をかく環境では、水分と一緒にナトリウムを失うため、状況に応じた補給が必要になることがあります。
この記事の結論
・ナトリウムは体液の調整、神経伝達、筋肉の働きに関わる
・日本人の平均食塩摂取量は、男女とも目標量を上回っている
・天然塩だから健康効果が大きいとは限らない
・通常の短時間トレーニングでは、毎回大量の塩を追加する必要はない
・長時間運動、高温環境、大量発汗では個別に補給量を考える
塩とナトリウムは同じものではない
日常会話では「食塩」と「ナトリウム」が同じ意味で使われることがありますが、厳密には別物です。
ナトリウム単体はミネラルの一種であり、食塩を構成する成分のひとつです。
食塩の主成分は塩化ナトリウムです。塩化ナトリウムとは、塩素とナトリウムが結びついた成分を指します。
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1,000
たとえば、ナトリウム1,000mgは食塩相当量約2.54gです。
健康管理では、商品の名前や塩の色よりも、栄養成分表示の「食塩相当量」を見ることが重要です。
塩に含まれるナトリウムが体に必要な理由
ナトリウムは、人体に必要なミネラルのひとつです。主に体液のバランス、血液量、浸透圧、神経や筋肉の働きに関わっています。

1.体液と浸透圧を調整する
ナトリウムは主に細胞外液に存在し、水分の分布や浸透圧を保つうえで重要です。浸透圧とは、水分が濃度の異なる場所を移動するときに働く力のことです。
2.神経の信号を伝える
脳から筋肉へ指令を送るときには、細胞膜を通るナトリウムやカリウムの動きが関わります。
3.筋肉を動かす
筋肉が収縮するには、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルが必要です。
注意:
運動中の筋けいれんは、疲労、運動強度、暑さ、脱水、過去のけいれん歴など複数の要因が関係します。「足がつった=塩不足」と断定しないようにしましょう。
日本人は塩不足より摂りすぎに注意
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の食塩相当量の目標量を、男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。

| 対象 | 1日の目標量 |
|---|---|
| 18歳以上の男性 | 7.5g未満 |
| 18歳以上の女性 | 6.5g未満 |
| 高血圧・慢性腎臓病の重症化予防 | 男女とも6.0g未満 |
令和5年国民健康・栄養調査では、20歳以上の平均食塩摂取量は男性10.7g、女性9.1gでした。
| 対象 | 平均摂取量 | 目標量との差 |
|---|---|---|
| 成人男性 | 10.7g/日 | 約3.2g多い |
| 成人女性 | 9.1g/日 | 約2.6g多い |
WHOは、成人の食塩摂取量を1日5g未満にすることを推奨しています。
日本人の多くが塩を摂りすぎているため、通常の生活ではまず摂取量を見直すことが大切です。
塩はどこから摂っている?
食塩は、料理に直接振りかける塩だけから摂っているわけではありません。しょうゆ、みそ、めんつゆ、スープ、漬物、加工肉、総菜などからも多く摂取します。
見落としやすい塩分源
・ラーメン、うどん、そばの汁
・みそ汁、スープ
・しょうゆ、めんつゆ、ドレッシング
・ハム、ベーコン、ソーセージ
・漬物、梅干し
・パン、チーズ、総菜
めん類の汁やスープを残すだけでも、2〜3g程度の減塩につながる場合があります。
塩の種類は「採れる場所」と「製造方法」で見る
塩は採れる場所によって海塩・岩塩・湖塩の3種類に整理されます。
| 分類 | 原料・採取場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 海塩 | 海水 | 天日、平釜、立釜など、製法によって粒や風味が変わる。 |
| 岩塩 | 地下の岩塩層 | 古い海水が地中で結晶化したものが多く、肉料理の仕上げなどに使われる。 |
| 湖塩 | 塩湖 | 塩分濃度の高い湖水から作られる。日本では流通量が少ない。 |
ピンクソルトは、一般的に岩塩の一種です。ピンク色は主に酸化鉄などに由来します。
岩塩は海塩より溶けにくい粒の商品もあり、肉料理の仕上げに使うと、塩味と食感のアクセントを出しやすい特徴があります。
製造方法は商品の裏面で確認できる
塩を選ぶときは、表面の「天然」「自然」という言葉だけではなく、商品の裏面にある原材料名と工程表示を見ると違いを判断しやすくなります。
| 工程表示の例 | 作り方の概要 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 天日 | 太陽や風で水分を蒸発させる。 | 天候や産地によって結晶や風味に違いが出る。 |
| 平釜 | 開放式の釜で煮詰める。 | 海水や濃縮した塩水を加熱して結晶化する。 |
| 溶解 | 原料塩を水などに溶かして再び結晶化する。 | 再製加工塩で使われることがある。 |
| イオン膜・立釜 | 海水から塩分を濃縮し、密閉式の釜で結晶化する。 | 品質が均一で、塩化ナトリウム純度が高い商品が多い。 |
見方のポイント
・「天日」「平釜」は製造工程を示す
・「溶解」は原料塩を一度溶かして作り直したことを示す
・「イオン膜」「立釜」は効率よく塩分を濃縮・結晶化する工程
・工程が違っても、健康面では最終的な食塩摂取量の管理が重要
ミネラル量で味が変わることがある
ミネラル量で味が変わることもあります。マグネシウムが多い塩は苦み、カルシウムが多い塩は甘み、カリウムが多い塩は酸味を感じやすいです。
ただし、実際の味はミネラル量だけでなく、粒の大きさ、水分量、溶け方、料理との組み合わせでも変わります。
海塩は野菜や魚、岩塩は肉料理の仕上げなど、健康効果ではなく味と用途で使い分けると考えるとわかりやすいです。
重要:
「自然海塩なら減塩の必要がない」「精製塩は避けるべき」と言う方もいますが、公的な食事基準では、塩の種類にかかわらず食塩相当量として管理します。海塩・岩塩・精製塩のいずれも主成分は塩化ナトリウムであり、天然塩なら多く摂ってよいわけではありません。
おすすめの塩は?目的別に選び方を解説
普段使いの塩を選ぶなら、海塩や岩塩など、原材料と製造工程が確認できる塩がおすすめです。
天然由来の塩には、商品によってマグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが微量に残っている場合があります。塩味だけでなく、苦みや甘みなどの風味が出やすく、料理に合わせて選べる点もメリットです。
目的別のおすすめ
普段の料理に使うなら
原材料が海水で、工程に「天日」「平釜」などと記載された海塩。魚、野菜、汁物などに使いやすいです。
肉料理の仕上げに使うなら
粒が大きめの岩塩やピンクソルト。塩味と食感のアクセントをつけやすいです。
汗を多くかく運動時なら
塩だけではなく、ナトリウムやカリウムなどを含む電解質飲料も選択肢になります。運動時間、暑さ、発汗量に応じて調整してください。
一方で、精製塩は塩化ナトリウムの純度が高く、天然由来の塩と比べると、ミネラル補給という目的には向きにくい傾向があります。
ただし:
天然塩に含まれるミネラルは商品によって差があり、通常の使用量では主要な補給源にはなりません。ミネラルは野菜、果物、豆類、海藻、ナッツなどの食品から摂ることが基本です。また、天然塩であっても主成分は塩化ナトリウムなので、摂りすぎには注意してください。
天然塩ならたくさん摂っても大丈夫?
天然塩、海塩、岩塩であっても、主成分は塩化ナトリウムです。天然塩に替えたからといって、食塩の摂りすぎが無害になるわけではありません。
選び方の基本
・料理に合う味と粒の大きさで選ぶ
・原材料名と製造方法を確認する
・食塩相当量を確認する
・「天然」「高級」という言葉だけで健康効果を判断しない
筋トレ中に塩を摂るメリット
運動中は汗と一緒に水分とナトリウムを失います。特に、気温や湿度が高い環境、長時間の持久系運動、汗の量が多い人では、ナトリウムの損失量が増えます。
ACSMは暑熱環境での運動について、運動開始約90分前にナトリウム約500mgを摂る方法を紹介しています。
ナトリウム500mg ≒ 食塩1.27g
ただし、これは暑熱環境での水分・電解質対策の一例です。すべての人が毎回トレーニング前に塩を追加すべきという意味ではありません。
トレーニング時間別|塩分補給の考え方
| 運動条件 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 60分未満・涼しい環境・発汗が少ない | 通常の食事と水分で足りることが多い。毎回塩を追加する必要はない。 |
| 60分前後・暑い環境・汗が多い | 水分に加え、食事や電解質飲料からナトリウムを補う選択肢がある。 |
| 1〜2時間以上・大量発汗・持久系運動 | 汗の量、体重変化、気温、回復時間に応じて個別に補給を考える。 |
| 高血圧・腎疾患・心疾患がある | 自己判断で塩を増やさず、医師や管理栄養士に相談する。 |

必要量は、汗の量と汗に含まれるナトリウム濃度によって大きく変わります。日常的に塩分摂取量が多い人が、短時間の筋トレのたびに塩を何グラムも追加すると、総摂取量が多くなりすぎる可能性があります。
運動中の塩分量を固定しない方がいい理由
「60分の筋トレなら塩1g」のような固定ルールは、わかりやすいですが、全員には当てはまるわけではありません。参考程度に身体と対話しながら量の調整が必要です。
発汗量を左右する要因
・気温と湿度
・運動強度
・運動時間
・体格
・発汗しやすさ
・服装
・暑さへの慣れ
・水分摂取量
発汗量の目安
運動前の体重-運動後の体重+運動中に飲んだ水分-尿量
体重が1kg減っていれば、おおよそ1L前後の水分を失った目安になります。
塩分不足・低ナトリウム血症にも注意
長時間運動で大量に汗をかくと、ナトリウムが不足する場合があります。一方で、ナトリウムを補わずに水だけを大量に飲み続けると、血液中のナトリウム濃度が下がる運動関連低ナトリウム血症が起こることがあります。
運動中に強い頭痛、吐き気、意識の変化、けいれんなどが出た場合は、運動を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
ダイエット中に塩を減らすと体重が落ちる?
塩分を減らした直後に体重が落ちることがあります。これは主に、体内に保持されていた水分量が変化した可能性があります。
体脂肪が短期間で大きく減ったわけではありません。反対に、外食や塩分の多い食事の翌日に体重が増えても、水分による一時的な変化の場合があります。
1日単位の体重増減だけで、脂肪が増えた・減ったと判断しないようにしましょう。
無理なく減塩する方法
続けやすい減塩方法
・めん類の汁を飲み干さない
・しょうゆを料理に直接かけず、小皿につける
・だし、酢、レモン、香辛料、香味野菜を活用する
・加工食品と外食の頻度を見直す
・栄養成分表示の食塩相当量を比べる
・みそ汁やスープを毎食つけない
カリウムは、ナトリウムの排出を助ける方向に働きます。野菜、果物、いも類、豆類などを取り入れ、塩だけでなく食事全体を整えましょう。
ただし、腎機能に問題がある人はカリウム制限が必要な場合があるため、医師の指示に従ってください。
塩の摂り方を自分に合わせて調整したい方へ
「自分は塩分を摂りすぎているのかわからない」
「トレーニング中に足がつりやすい」
「汗をたくさんかくけれど、何を補給すればいいかわからない」
「ダイエット中のむくみや体重変化が気になる」
「食事と運動をまとめて見直したい」
ReAmの体験レッスンでは、食事内容、発汗量、運動時間、生活習慣、目標に合わせて、無理なく続けられる食事管理とトレーニング方法をご提案します。
自分に合ったダイエット方法や栄養の摂り方を知りたい方は、体験レッスンにお越しください!
よくある質問
天然塩は精製塩より健康にいいですか?
天然塩には微量のミネラルが含まれる商品がありますが、主成分は塩化ナトリウムです。天然塩に替えれば、多く摂っても問題ないわけではありません。
海塩と岩塩はどちらがおすすめですか?
健康面で一律に優劣を決めることはできません。商品によって製法や成分が異なります。味、粒の大きさ、用途、価格で選び、食塩相当量を確認してください。
ピンクソルトはミネラル補給になりますか?
微量のミネラルが含まれる場合がありますが、通常の使用量では主要な補給源にはなりにくいです。野菜、果物、豆類などから摂ることが基本です。
筋トレ前に塩を何グラム摂ればいいですか?
全員に共通する量はありません。短時間で発汗が少ない筋トレなら、通常の食事と水分で足りることが多いです。暑熱環境、長時間運動、大量発汗の場合は、発汗量や健康状態に合わせて調整します。
まとめ
塩に含まれるナトリウムは、体液の調整、神経伝達、筋肉の働きに必要です。
しかし、日本人の平均食塩摂取量は、男女とも目標量を上回っています。そのため、通常の生活では、まず摂りすぎに注意することが基本です。
海塩や岩塩には微量成分が含まれる商品がありますが、天然塩だから多く摂ってよいわけではありません。
トレーニング中の塩分補給は、運動時間、気温、湿度、汗の量、普段の食事、健康状態によって変わります。
塩を一律に増やす・減らすのではなく、自分の食事と運動環境に合わせて調整しましょう。
参考文献・出典
World Health Organization「Sodium reduction」
American College of Sports Medicine「9 Facts About Hydration & Electrolytes」
Strazzullo P, Leclercq C. Sodium. Advances in Nutrition. 2014.
銀河のハルカ「塩を味方に! 岩塩 vs 海塩にも決着を。」(塩の分類・工程表示・料理での使い分けの参考)

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